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靭帯・筋肉・骨・腱 [フィットネス的なこと]

筋肉の端は腱。腱は伸縮性があまりなくて、筋肉と骨をつないでいる。
筋肉は2つがペアになっていて、片方が伸びると片方が縮む。それで関節を動かすわけ。

骨と骨の構成を支えているのが靭帯。靭帯はほとんど伸縮性がない丈夫な組織で、
関節が変な方向に曲がったりしないようにしたりする。

いくら丈夫な靭帯でも、変な方向に過大な力が加わると、切れます。
よく「靭帯が伸びた」なんていうけど、
靭帯は伸びません。靭帯の繊維の束の一部が切れている状態です。
突き指や、足首の捻挫などは靭帯の部分断裂です。
もちろん、完全に断裂することもあります。
切れた靭帯は、再生するのにとても時間がかかります。
ねんざ、突き指がしつこいのはこのためです。

なんでこんなことを書いているかというと、

昨年12月に右脚を捻じってしまい、右膝の前十字靭帯が切れたからです。
スケートの高橋大輔と同じ怪我、といえばわかってもらえるかも。


最近、立て続けに怪我をして、よくわかったことがあります。
病気でも怪我でも、他人にお見舞いの言葉を言うとき、まとはずれなことを言うぐらいなら
「お大事に」ぐらいにしておくほうがいいってこと。
例えば、骨が折れたのか、筋肉が切れた(肉離れ)のか、靭帯が切れたのか、
腱が切れたのかはメカニズム的にも全く違っていて、治癒・治療の過程も全く違い、
当人にとってはそれはとても重要なことなのに、
単に「足を痛めてね」と話しているならともかく、「靭帯を切りました」と言ってるのに
「牛乳飲んだ方がいいよ」とか「普段から体を鍛えとかないと」などといわれると、
けっこう傷つきます。
大きな病気はしたことがないけれど、病気のお見舞いなんかでも、
よく知らないのに、とんちんかんな励ましはしないように気を付けようと思いました。

さて、膝の靭帯ですが、
膝関節は大腿骨(ふとももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(膝のお皿)で構成されています。
この大腿骨と脛骨をつなぎ、変な方向に動かないように支えているのが4つの靭帯。
膝の両側面を支えて横方向の動揺を抑えているのが、内側側副靭帯(MCL)と外側側副靭帯。
右膝でいうと、向かって右側が内側、左側が外側になります。

膝の中にあって、大腿骨の下端の後ろ外側から脛骨の上端の前内側をつなぐのが前十字靭帯(ACL)、逆に、大腿骨の下端の前内側から脛骨の上端の後ろ外側をつなぐのが後十字靭帯(PCL)です。この二つの靭帯はX字状にクロスしています。このため「十字」といいます。
ACLは脛の前方動揺性と内側への捻転を抑える役目をしています。
(*3/18修正: 間違ってたところがあるので書き直しました)

スポーツ活動中などに切れることが多いのが、MCLとACLです。
着地や、ピボット動作、他の人がぶつかるなどして、
つま先が外側に向いた状態で膝が内側に押されたりして切れることが多いらしいです。
だいたい200kgの力が加わると切れるそうです。
体重の数倍ですから、それほど大きな力ではなくても変な方向にねじれると
簡単に切れるんです。意外と。
(なのに、カルシウムだのグルコサミンだの体力だのの話をされると、
ちがうだろ~、話を聞けよ! って思ってしまいます。
うちのおとうは、犬がぶつかってMCLを単独で切りました。)


体の中の靭帯のうち、他の靭帯は時間がかかっても再生するので、
ほとんどの場合は手術にならず保存療法になりますが、
ACLとPCLは再生能力がほとんどなく、切れたら
「切れたまま」または「手術して新しく靭帯を作る」の二択になります。

「切れたまま(保存療法)」では、ACLのない膝のままでいる、ということです。
実は、ACLは切れたときはそりゃ痛いんですが、周りの炎症が治まってくると
一見「治った」ように普通の歩行はできるようになるんです。
激しいスポーツをしなければ、膝回りの筋肉を鍛えることにより膝の動揺をカバーして
日常生活は送れるようになるといわれています。スポーツをしている人でも、
筋トレをしながらの保存療法を選択する人もいます。
しかし、膝崩れ(ACLがないために脛骨が前方に引き出されて、ガクッとなる)の危険は常に伴い、
そのたびに半月板を痛め、変形性膝関節症の発症が早まるといわれています。
また、靭帯が切れているかどうかはMRI撮影しないと診断できない(MRIも下手に撮れば
わからなくて、関節鏡を入れてみないとわからないこともあるそうです)ので、
ヤブ医者やヤブ接骨院で見逃され、「治った」気になって何年も経ち、
膝崩れを繰り返して、発覚したときには半月板がぼろぼろ、というケースも多いそうです。
半月板は膝の左右に挟まってる軟骨組織で、滑らかな動きのサポートとクッション的な
役目をしますが、これも再生はしないと言われています。グルコサミン飲んでも無駄?

「手術して新しく靭帯を作る(前十字靭帯再建術)」では、自分の体の他の部分から
材料を採ってきて靭帯を作り、大腿骨と脛骨に留める、ということをします。
作った靭帯がちゃんと靭帯に育つまでに長いリハビリが必要ですが、
膝崩れの不安なくスポーツに復帰することができます。
手術は、ほかの靭帯の損傷や急性期の炎症が治まるのをまって行います。
受傷後1か月以上あとになります。私は2か月後の先月21日に手術しました。
スタスタ歩いて入院、2週間後に松葉杖で退院、です。

再建靭帯の材料は2種類ありますが、私がかかった病院では、
太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)の端の腱(正確には半腱様筋:
腱のような筋肉のような組織)を採取して使います。
腱を使って繊維の束を作り、骨に開けた穴に両端を通して張力をかけ、金具で留めます。

骨に開けた穴がふさがり、通した束が抜けたりしないようにしっかりと固着するのに
12週ぐらいかかるので、術後2,3カ月は日常生活もニーブレイスを着用です。
(この期間を、日常生活を送れるようにするための
メディカル(医療的)リハビリテーション期間といいます。)

術後しばらくは体重をかけないので、患側のふとももは
笑ってしまうほど筋肉が削げ落ちてしまいます。
病院や医師の考え方によって期間は異なりますが、
私の場合は10日間は免荷(足をつかない)、10日目から徐々に体重をかけて、
4週で全荷重で松葉杖がとれる、というスケジュールです。まだ松葉杖ついてます。
この筋肉を戻すのに何か月もかかるんですよ。落ちるのはあっという間なのにね。
(経験者のような口ぶりでしょ? なぜなら、経験者だから。
3年前に左膝ACLを切って再建しました。左右ともやっちまうとは思いませんでしたよ)


腱様筋の組織に血が通い、靭帯様の組織に変わるのに約1年かかります。
その間は、リハビリで筋力をつけながら「靭帯を育てる」ことになります。
スポーツ動作(ダッシュ、ジャンプ、ピボットなど)では再断裂のリスクがあるため、
スポーツ復帰は、ニーブレイスを着用して術後半年ぐらいから徐々に、ということになります。
(この期間はスポーツ復帰に向けた、アスレティックリハビリテーション期間といいます)

リハビリが長くかかるのはこのためです。
早くにスポーツ復帰している人もいますが、
リハビリを頑張っても靭帯は早く育つわけではなく、
筋力をつけてカバーしている状態なので、あくまでリスクと天秤です。

アジリティって、サッカーやスキーみたいに激しくはなさそうに見えて、
ピボット動作や急なストップが多くて意外と危険なスポーツなんですよ。
特にフロントクロスはあぶない。

筋力の戻り具合と相談しつつ、ニーブレイスでがっちり保護して、
アジリティの競技復帰は冬ぐらいになるかな?

ちゅうことで、だいたいこのぐらい書いておけば、
私の状況はわかっていただけるでしょうか?







コメント(4) 
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コメント 4

フクタク

状況がわかりました。
中度から大きな怪我まで続きましたね。
無理はしないとは思いますが確実に治してくださいね。
by フクタク (2012-03-21 23:57) 

byonbyon

>フクタクさん

「リハビリは 焦らずさぼらず 淡々と」 ですね。
わかっちゃいるけど焦ってしまいますわ・・





by byonbyon (2012-03-22 11:34) 

froro

byonbyonさん 痛みはどうですか;;?
焦らずに 時間かかっても、リハビリがんばってくださいネ

by froro (2012-03-31 21:16) 

byonbyon

>froroさん
ついでに腕力と腹筋の増強も図ってます。
筋トレに詳しくなりそうです。
by byonbyon (2012-04-01 17:27) 

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